製作秘話
■製作秘話
お暇でしたら
今回のレベル製作で感じたことを製作順にメモ代わりにいくつか書いておきます。
レベル製作の一助になれば幸いです。
■製作当初:
忍者屋敷の作成。
以下の理由から忍者屋敷を作成することにしました。
- BADDY_2が忍者によく似ていて流用できそう。
- 前2作では敵らしい敵も登場せず、トラップもないのでそろそろ敵とトラップを登場させよう。
- 建物レベルの「何でこんな所にトラップが?」という不自然さをなくす。
- 前作までモデルがあったので今回はモデルなしにすることで、オブジェクトやテクスチャの作成の手間が省け、オブジェクト数にも余裕が出来る。
広いマップ。
前回同様です。
1レベルでマップを往復する距離を長く、広く。
前回同様です。
季節感、霧の使用。
前回同様です。
ララのアニメを変更する。
前回同様です。
仕掛けの仕組みがある程度分かるように作成。
前回同様です。
部屋を明るく作成。
前回同様です。
■製作中盤:
動的オブジェクト数の増大。
とりあえず入り口周辺や1階部分はそれとなくリアルに作って、
地階や特殊な入り口以降はトラップ満載のカラクリ屋敷にしてしまおうと、
適当にテクスチャを貼ってマップだけ作成しました。
作成後「トラップが多いなぁ」と感じたので試しに動的オブジェクトだけ並べてみると軽く200を超えてしまいました。
これが最後まで頭を悩ませることになりました。
障子と格闘。
自動で開くのも変だし、SHATTERオブジェクトでもよかったのですが、
Richard Lawther他の「Underworld Unfinished Business 4」で
KICKDOORが意外な使われ方をしているのにヒントを得、KICKDOORで障子を作成することにしました。
ララのアニメも変更できるようになったことだし簡単だろうと思っていたのですが。。。
まず、障子のサイズに悩みました。
KICKDOORそのままでは横に空間ができておかしいので、Metasequoiaというツールで横幅を変更。
これでは正方形になっておかしいので、8クリックの高さにすると大きすぎる。。。
結局、自分で納得できる6クリックの高さにしました。
そこからはKICKDOORのアニメを左右開きから踏み倒したようなアニメに変更しました。
ゲームの中で試してみると、ララが障子につまずいてしまう。
そこでFexAnimというツールでコリジョンを変更。
すると今度は、何故か倒した後の障子がゲーム内で表示されないことがあるのに気づく。
試行錯誤の末、KICKDOORを手であけたときには問題が発生しないようなので
KICKDOORのアニメを全て踏み倒したようなアニメに変更し、
ララのアニメもドアを操作するアニメを全てキックするアニメに差し替えました。
しばらくして、そういえばYoshiさんの「An odyssey 2012」にも障子が出てるなぁ。。。と調べてみると
「なんと敷居をちゃんと作ってあるではありませんか!!」(実は鴨居も。)
なのでテクスチャで敷居を作るとテクスチャが増大したのでオブジェクトで作成しました。
ついでに、鴨居とKICKDOOR周辺の薄い壁対策として障子のオブジェクトも並べることにしました。
床下。
3ki3roさんの「Armor of Hideyoshi」に床下があったので挑戦してみました。
最初、床下はBRIGE_FLATで下にもぐれる造形だったのですが、
動的オブジェクトが増大してしまったので静的オブジェクトで作成することにしました。
すると、地面のテクスチャが違ったりで10種類必要になってしまいました。
結局、静的オブジェクトが一杯になりかけたので、地面と床下のオブジェクトを分けて製作しています。
和風建築と格闘。
最初はリアルに作るつもりなどなかったのですが、
仕掛けを分からせるように作ったため、そのためのオブジェクトも必要。
TRSearch.orgを探しても和風オブジェクトは数える程しかない。
といった理由から思った以上に大変でした。
台所、トイレ(厠)、風呂。
インターネットからの情報を参考に作成しました。
風呂のある部屋は床を2階層作り、最下層の一部だけ水の部屋にしてあります。
そのままだといきなり水の部屋に入れてしまうので、風呂の外枠は静的オブジェクトで製作してあります。
カエルに乗った忍者。
SHATTERオブジェクトを障害物として利用したくて製作しました。
ガマに乗った忍者(地雷也)をイメージして作っていたのですが、
頂点数が255を超えてしまい、へのへのもへじ君になってしまいました。
綱渡り、風の間、林の間、火の間、天井トラップ、CLOCKWORK_BEETLE。
西洋風のものを和風にするのが大変でした。
あまりに天井が高くて無意味なトラップになってしまいました。
Yoshiさんか他の日本人ビルダーのレベルにも似たような仕掛けがあったとおもいます。
ちなみに西洋ではてんとう虫は特別な意味があるらしいです。
瞬間移動の設置。
RPGツクール製のゲームによく出てくるワープする迷路を再現するつもりで作成しました。
1レベル内でのレベルジャンプでもよかったのですが、
ララのアニメが変更できるようになったので挑戦してみました。
仕組みはCROWBAR_SWITCHのアニメの後、SetPositionコマンドを追加したアニメを呼ぶようにしただけです。
ところが、そのままでは瞬間移動したように見えないので、カメラで誤魔化しています。
カメラは固定でもよかったのですが、慣れない仕掛けに戸惑う人もいると思い、
解除できるようにしてあります。
ゲームとしての嘘。
今回は架空の日本家屋ということで自分の都合のいいようにトラップを多く配置しています。
黒子。
獣を捕まえるようなトラップをふざけて作ってみました。
実際にララが入れるサイズにしようとも思ったのですが、そうすると巨大な仕掛けになってしまうので止めておきました。
黒子はTR5のリトルモンスターを流用して作りました。
ちび忍者。
黒子を作ったので調子にのってちび忍者を登場させました。
ちび忍者はTR5のリトルモンスターを流用して作りました。
最初、アニメのSpeed値で綱渡りをさせていたのですが、セーブデータをロードすると
あらぬ所から開始してしまったので、実際にアニメの中で移動させています。
鳴き声は、EXH_MUMMY_RAHHHのPIT値を変更したものです。
作成時にはTRW Editorというツールが重宝しました。
STATUE_PLINTH。
ちび忍者のセーブロード問題と同じようにSTATUE_PLINTHでも
セーブデータをロードするとパズルが元に戻ってしまう問題が発生。
仕方なく、パズルアイテムだけのオブジェクトを作り表示させています。
これまでのレベルもついでに修正しました。
ELEMENT_PUZZLE。
STATUS_PLINTHのセーブロード問題と同じようにELEMENT_PUZZLEでも
セーブデータをロードするとパズルが元に戻ってしまう問題が発生。
同様に、パズルアイテムだけのオブジェクトを作り表示させています。
枯山水の設置、ララのアニメを変更、アイテムを変更、ララの声を変更。
前回同様です。
■製作終盤:
照明の設置。
暗いマップは当初の予定になかったので、夜の割りには、基本設定光を明るめに設定してあります。
忍者の登場やトラップを分かりにくくするため意図的に真っ暗な場所を作ったり、
連作も中盤なので少し暗い箇所も作ってみました。
シークレットの設置。
今回のシークレットは、これまでより広く異質な空間にしています。
見つけることよりクリアへの難易度を上げています。
分身の術の登場。
忍者が3人登場してくるカットシーンは分身の術をイメージしたものです。
(そう受け取ってもらえるかいささか不安ですが。)
画面から上手く消えてくれなかったのでSetPositionコマンドで移動させています。
吹き矢の忍者は、SASとTR3の吹き矢の敵の合成です。
ジャンプ台の設置。
TR2のジャンプ台を再現するつもりで作成しました。
ララのアニメが変更できるようになったので挑戦してみました。
仕組みはSWITCHのアニメの後、SetPositionコマンドを追加したアニメを呼ぶようにしただけです。
さすがにその場に立っただけでジャンプするようには出来ませんでした。
また、ジャンプ中につかむこともできないのでTR2の造形をヒントにクリアしてもらおうと
部屋の造形はTR2から流用(製品版なので出入口が3つもある!)です。
TR2終盤の難しい部屋の流用なのでシークレットにしました。
作成時にはTR2Prjというツールが重宝しました。
個人の限界を超えた問題。
難易度設定はいつもの事で、個人ではどうしようもありません。
海外のチュートリアルの利用。
海外のチュートリアルの作り方を参考にレベル製作をしています。
雑感。
今回もTRLEの限界にまた泣かされました。
動的オブジェクト数の上限です。
今回は簡単に製作できると甘く考えていたのですが。。。
大仏殿を作っている頃は「気分は宮大工」なんて調子に乗って作ってましたが、
今回のように、アクションやトラップを重視するとかなり和風建築は難しいのかなと思います。
私も悩まされた障子をどう処理するかとか、畳のテクスチャはどうするのかとか、
とにかく和風オブジェクトの絶対数が足りないので無理もありませんが。