TRLE Level BOX
This Site is an unofficial site by TRLE fan.

製作秘話



■製作秘話

お暇でしたら
今回のレベル製作で感じたことを製作順にメモ代わりにいくつか書いておきます。
レベル製作の一助になれば幸いです。
今回の製作秘話は製作時からかなり時間が経過しているため曖昧な点がいくつかあります。


■製作当初:

画面にタイムを表示させるレベル。
というのが当初の目的です。
TR4ではVON_CROYとの競争になっているので、タイムレースをするには何かないかと知恵を絞った結果、
100m走をさせることにしました。
折りしも、エンブレムやら競技会場やら、何かと物議をかもした2020年東京オリンピックのことや、
次回日本でオリンピックが開催されるのはいつになるか見当もつかないので、
ここぞとばかり、ありがちなオリンピック便乗レベルにすることにしました。
これを書いている時点(2018年)ではそれほど盛り上がっていませんが、
開催されてしまえば、みんな熱狂するに決まってます。
オリンピックのたびに発売される任天堂の某ゲームみたいですが、意図したわけではなく偶然です。

■製作中盤:

100m走のマップ。

実際に100mに近い距離のマップを作り昼間の予定でしたが、
視界限界が発生し晴天のHORIZONもいいのがなかったので、夜にすることにしました。
実際、アメリカの放送局がオリンピックの大手スポンサーということや、選手の体調のこともあって、
オリンピックの100m走決勝は夜と決まっています。
結果的に、この方がリアルになり夜にしたのは正解だったと思います。

タイム表示。

タイムを表示させるにはVON_CROYオブジェクトが必須です。
ゲーム内に表示されては困るので、メッシュを全て透明な三角に変更してあります。
動作確認中に最初のレベルではタイムが表示されないことが判明。
急遽タイム表示あり/なしの2つを選択できるようにしました。

100m走の走者。

オリンピックということで、通常のララではなく少女時代のララに決定。
6コースのカーティスは元々、現(2018年)世界記録保持者のウサイン・ボルトの予定で、
実際にボルトがどれだけ早いかゲーム内で体感してもらおうという意図がありました。

しかし、新しくボルトのそっくりさんを作成するのも手間ですし、
各走者を先進国や陸上の強い国にすると、参加できない国が出てくる。
製品版は米ソ冷戦を彷彿とさせたり、中東の紛争に絡んでくるようなレベルがありますが、
政治的メッセージなど入れたくなかったので、ボルトをカーティスに変更。
それならと、各走者をすべてクラシックTRに登場した人物(?)にすることにしました。

クラシックTRからオブジェクトを抜き出してANIMATINGオブジェクトとして走るシーンを作成。
ところが、実際に走らせて次の部屋に移動すると、表示されなくなる場合があることが判明。
仕方なく次の部屋に移動するタイミングで別のANIMATINGオブジェクトに切り替わるようしました。
これが後々ANIMATINGオブジェクトの上限に引っかかり頭を悩ませることになります。

競技種目の追加。

当初は100m走だけの予定でした。
ところが、2020年の東京オリンピックから種目としてクライミングが追加されたのを知り、
ララにこれをさせないわけにはいかないだろうと急遽追加。
そこからはいろんな欲が出てしまいました。
聖火ランナー、水泳、体操。。。
既に気付いている方がいるかもしれませんが、驚いたことにララはオリンピック競技が普通に出来てしまいます。
100m走以降どの競技を追加していったか記憶があいまいのですが、攻略順に説明しておきます。

聖火ランナー。

既に「Escape From The Ship」の攻略で聖火ランナーの感じがしていたので、当然といえば当然の追加。
トーチを持つ手が通常ララと同じになってしまう問題はすでに「Dracula House」で解決済。
途中の落とし穴は単調なランニングに変化をもたせるためのものです。
問題は聖火台でした。
オリンピックごとに聖火台はデザインが違うので、これといったお手本がありません。
当初は巨大なバケツみたいな聖火台でした。
どうにもそのデザインが気に入らないので、60年代の東京オリンピックのデザインを模して、ララが背伸びして火を灯すようにしました。

飛び込み。

ララが出来てしまうので、ついでに追加してみました。プールにある足場はRAISING_BLOCKです。

水泳。

100mよりは距離が短いものの、50mプールを作成すると、どうしても1部屋では作成することが出来ません。
100m走同様、水泳でも次の部屋に移動するとANIMATINGオブジェクトが表示されなくなる場合があります。
100m走でANIMATINGオブジェクトをかなり使ってしまい、同じことを水泳でも行うとANIMATINGオブジェクトが足りません。
仕方なく、プールは1部屋で作成し、50mに満たないプールに変貌し、
スターターも100m走のみで、100mの走者も2人(?)はスタート直後に競技できなくなって、
ジョークレベルでお馴染みの冒頭のANIMATINGオブジェクトもトラップなど他のオブジェクトを代用することにしました。

プレイヤー目線では単純に泳ぐだけですが、ビルダー目線からするとANIMATINGオブジェクトの上限との悪戦苦闘が続きました。
オブジェクトによっては、独自のアニメーションを表示してくれなかったり、コリジョンが上手く設定できなかったり。。。
ANIMATINGオブジェクトのように動作してくれるオブジェクトを探す作業が一番手間だったように思います。

100m走者、100mスターター、水泳泳者、レベル冒頭のカットシーン等々。
全てのオブジェクトが、何とか割り振ることが出来てから本格的な作業だったように思います。

平均台。

綱渡りを平均台として使ってみました。
平均台のアニメはTRSearch.orgからの流用なので、
カメラ表示中に普通の表示に戻ってしまう現象は私の技術では直せません。

体操。

平均台を出したので、女子体操の段違い平行棒と跳馬を組み合わせてみました。
段違い平行棒は平行棒。
跳馬はRAISING_BLOCKです。
競争相手もなく単調なので、RAISING_BLOCKは時間制限付きにし、最後にジャンプスイッチを持ってきました。
平均台と同様、アニメはTRSearch.orgからの流用なので、
カメラ表示中に普通の表示に一瞬戻ってしまう現象は私の技術では直せません。

ウォールクライム。

本レベルのもう一つの目玉。
クライミングが今後オリンピックでどのような扱いになるのかわかりませんが、
2020年の東京オリンピックをモチーフにした以上、必須のアクションでした。
インターネットでスポーツクライムの壁面の画像を調べ、カラフルな色を追加してあります。
本来はハーネス(命綱)をつける所ですが、TRでは水辺を下に持ってくるとノーダメージになるのはお約束。
お約束通りの方が簡単に実現できるので、下にはプールがあります。

100m走のカーティス。

カーティスは、8秒でゴールしたり、10秒手前になったり、9秒中盤という微妙なタイムが上手く出せなかったので、
現状のタイムになりました。9秒後半から10秒前半ぐらいなので、オリンピックに出る選手ぐらいの速さは出ていると思います。
最後はふざけてボルトのポーズをさせてみました。

観客。

「ZIPANGU」で登場した「へのへのもへじ君」の再来です。
それなりに大勢いるよう見せることができ、頂点数の問題も解決してくれる優れもの。
人種や性別も多種多様になるように作ってみました。
オリンピック旗の色を使用してカラーリングしてみたのですが、
不思議なもので5色で、どこの国の人かわかるようになってしまいます。
各国の国旗が5色あれば事足りるからでしょう。
国旗をイメージすれば何処の国の人かイメージできると思います。

自転車。

100mを実際にプレイしてみてカーティス(ボルト)の速さに驚かされました。
あまりに早くて勝負になりません。
そこで、バイクを登場させることにしました。
しかし、少女時代のララにバイクは違法なので、ゼンマイ式の自転車のつもりで作成してあります。

自転車を漕がせようとアニメの変更にも挑戦してみましたが、
自転車に乗る前にライトが勝手に点灯したり、足の動きが上手く出来ず断念。
バイクを自転車に変更するだけに終始しました。
ちなみに、自転車のハンドル辺りにララを立たせ、
じっとしていると勝手にララ(バイク?)の位置が変更されてしまいます。
これはサイドカーでも同様の現象が発生します。
おそらくスイッチ等の近くに立たせると勝手にララの立ち位置が変更されるのと同じ現象で、
バイクに乗りやすくするためのTRLEの仕様なのでしょう。

自転車の部屋に簡単に行けてしまうと100m走の意味がないので、
この部屋には聖火台の天井を開いて鍵を入手する必要があります。
試しにバイクで走ってみても勝てません。(恐るべし世界のトップランナー。。。)

カメラ中継。

普通にプレイしても単調なだけなので、TV中継させることにしました。
スイッチは一部メッシュを追加してランプが点灯し、オンエアであるかのようにしてあります。
しかし、難易度が上がってしまうので、スイッチを操作してカメラを有効/無効に出来るようにしました。
技術的にはフリップマップのオン/オフを行い、カメラのトリガが床にあったりなかったりしているだけです。
照明が一部赤くなるのですが、それがララに反映されたり、されなかったりしています。
また、反映された後、元に戻らなかったりもします。
フリップマップ関連のバグではないかと思うのですが、修正しようがないので、そのままにしてあります。

部屋の造形。

オリンピックということで、かなり派手めの色使いになっています。
またピクトグラム(競技を文字ではなく絵で表現する)はララをイメージさせるべく三つ網の長髪で、
2012年のロンドンオリンピックのカラーリングや過去のオリンピックのデザインから流用しました。
最近のスポーツ会場のデザインは凝ったものが多いので、クライミング会場は月光を照明として利用出来るような作りにしてみました。

■製作終盤:

NGLEの検討。

かなり以前からオブジェクト数の上限に泣かされていたので、NGLEを検討してみました。
しかし、TRLEでは簡単に出来ることがNGLEでは逆に面倒になったり、
まだまだ不慣れなので、結局TRLEでの製作に終始しました。

照明の設置。

全体の環境光はこれまでの少女時代のララと同じですが、太陽光の強度を下げ少しでも影が出来るようにしてみました。
Effectを使っていくつか影を追加したり、水中にも照明を設置したり、少しだけ手間をかけてみました。

オープニング。

過去のジョークレベルから流用です。

その他。

エンディングは、「The  End」だけです。
自転車に乗ってクリアするとゴールしてすぐエンディングになってしまいます。
まぁ、それでもいいかなと。

冬季オリンピックの種目もいくつか工夫を凝らせば出来そうです。
しかし、ララの衣装を変更する必要があり、このレベルではこれ以上オブジェクトが利用できそうにないのと、
2020年の東京オリンピックの便乗で、冬季は関係ないのでやめておきました。