TRLE Level BOX
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製作秘話



■製作秘話

お暇でしたら
今回のレベル製作で感じたことを製作順にメモ代わりにいくつか書いておきます。
レベル製作の一助になれば幸いです。
今回の製作秘話は製作時からかなり時間が経過しているため曖昧な点がいくつかあります。


■製作当初:

種明かしレベルにする。

TR5には最初に潜水艦内部のレベルがあり、その後爆発で内部が破壊されたレベルが登場します。
「こんなレベルができないだろうか?」
と思っていました。
D_Houseの足場をジャンプする部屋を作った頃、TR5には爆破で足場が破壊される演出があり、
同じようなことはできないだろうかとも思っていました。
以来ずっと頭にあったアイデアで、D_House2製作時にも頭の片隅にはありました。
ですが技術的に無理なことも多いので延び延びになっていました。

TR5の潜水艦レベルと同じようにD_House2の続編的なレベルでもよかったのですが、
それではあまりに芸がないので、D_Houseの前にタイムスリップしたようなレベルにして
種明かしレベルにすることにしました。

Dracula Houseの完結。

Escapeシリーズが3部作で完結しているので、Draculaシリーズも3部作で完結させることにしました。
完結編ということもあり、ドラキュラと対決するため少女時代のララから大人のララに変更しました。

■製作中盤:

スタートとゴールの位置決定。

種明かしレベルにするため、D_HouseとD_House2の両方の部屋が必要ですが、
そのまま合体させたのでは、部屋数が255を超えてしまい実現できません。
余分な部屋を削除する必要があります。
そこで、まずスタートとゴールを決めることからはじめました。
スタートはタイムスリップしてきたことがわかるように、宇宙船の内部とすぐ決まりました。
するとD_House2からは逆走不可なので、D_Houseを逆走することなります。
D_Houseを逆走可能にするとD_House2の出番がありませんから、ゴールはD_House2の屋外付近にすることにしました。

D_HouseとD_House2の接続で悩む。

スタートをD_Houseの宇宙船の内部に決定したので、D_House2のロープ部屋以降を削除。
また、本作でD_House2のシークレットのネタばらしもないだろうとD_House2のシークレット部分も削除。
D_House2のロープ部屋や迷路を逆走しても大した種明かしの仕掛けができそうもなかったので削除。
そうなるとD_House2はセネトのゲームの部屋までになります。

次に、D_Houseですが、宇宙船から逆走し続けるとロープの部屋の手前で行き止まり。
ここから、D_House2へ接続するのは無理があるし、かなり遠い。
ところがうまい具合にD_Houseのロープの部屋に扉がたくさんある!(偶然です。)
そこで、D_Houseのロープの部屋からD_House2へ向かうことにしました。

既存のレベルの合体。

スタートとゴールが決定し、削除する部屋も決まったので、2つのprjファイルを合体させました。
合体にはPRJMergeというツールが大変役に立ちました。

リトルモンスターの設置。

D_Houseを逆走可能としたためと、種明かし的な意味合いで、
リトルモンスターをANIMATINGオブジェクトで随所に配置しました。

D_Houseの変更。

セネトのゲームの駒を準備したのは、実はララだった。
という種明かしには3つのPUSHABLE_OBJECTが必要なので、そちらを優先し、
5つのPUSHABLE_OBJECTはANIMATINGオブジェクトに変更して、動かなくしました。

これまで未使用の敵の使用。

BIG_BEETLEは未使用なので、使ってみました。
そのままではレベルにそぐわないので、吸血から連想して蚊(のつもり)にデザインを変更してあります。
WRAITH2、WRAITH3は特定の場所でしか消せず、使い方次第で凶悪になるため未使用だったのですが、
十字架で消えるようにすればレベルに合うかなと思い使ってみました。デザインは分かりにくいですが蚊です。
SETHAも未使用なので、使ってみました。
倒せないので、ラスボスとしてデザインを変更して登場させました。

ネタ切れ。

セネトの駒の種明かしには、D_Houseのロープの部屋から、セネトの部屋の真上までいく必要があります。
その後、巨大回廊に向かうことになるのですが、
巨大回廊に最初水はなく、原因はララだった。という仕掛けにはフリップマップが必要です。
合体したレベルの部屋数が増大し、2DMAPの値も増大し制限値を超えるかも知れません。
そうした懸念材料とララにさせることがなく、長いこと製作がストップしました。

製作再開。

ネタ切れしたため、他のレベルをプレイしたり、ドラキュラに関する情報を集めました。
調べた情報を元に、鏡の部屋の使用を決め、女吸血鬼をMUMMYで製作することにしました。
懸念材料のフリップマップは、実際にフリップマップ予定の部屋をコピーして部屋数を調べ
部屋が増えたままプレイして問題なければOKだろうと製作を再開しました。

D_House2の変更。

大した種明かしの仕掛けができそうもなかったので、D_House2の時間制限と台所の部屋は削除しました。
ドラキュラを倒した後は逆走するだけなので、単調かなと思い屋外も削除しました。

オブジェクトの増大。

リトルモンスターを随所に配置し始めるとANIMATINGオブジェクトが不足しそうなことが判明。
Richard Lawther他の「Underworld Unfinished Business 4」ではトラップで代用していたので、
動きのないリトルモンスターやANIMATINGオブジェクトはトラップやGAME_PIECEやSMASH_OBJECTに変更しました。
トラップは複数のメッシュでは表示されなかったり、
トリガしないとコリジョンが発生しないものがあるので調べるのが結構手間でした。
その後、ベータ版公開後オブジェクトがさらに増大したので、動きのないリトルモンスターは静的オブジェクトに変更しました。

モンキースイングの部屋。

当初はモンキースイング中にWRAITH2に襲われるだけの部屋だったのですが、
プレイ時間を長くするため、PUSHABLE_OBJECTを追加し、TRAPDOORを追加しました。

足場の破壊。

WRAITH2はANIMATINGオブジェクトで作ってあります。
設置してある部屋以外から見ると表示されないので、フライバイカメラは一つの部屋にすべて設置しました。
破壊される足場はSHATTERオブジェクトで、GRENADEを使って爆破させています。

水中。

当初はもっと広くHAMMERHEADがいたのですが、ドラキュラ屋敷の内部に巨大水槽は変かなと思い削除しました。

女吸血鬼の部屋。

統一感を出すためRAISING_BLOCK1を多用しています。
天井裏が暗いので、どこに向かえばわかるようにエフェクト照明を設置してあります。
ネズミはTRSearchからダウンロードしました。
ベータ版公開後狭いという意見があったので、天井裏をアーチ風にしてあります。

女吸血鬼。

女吸血鬼はダウンロードしたソフィアのメッシュをいくつか流用して作成しました。
ウィキペディアによると女吸血鬼はドラキュラの花嫁らしいので、ウェディングドレスを着させてます。
Photoshopのブラシにいいのがあれば、レースのテクスチャとか作れたのですが、
なかったので、雪の結晶になってしまい、雪の女王みたいになってしまいました。
メッシュの数がMUMMYとは違いますが、
TR Wad Reorganizerというツールでメッシュを削除するとうまく変更できました。
確かMUMMYの包帯部分のみを削除したと思います。
削除するメッシュを間違えると上手くいかなかった筈です。

トラップの追加。

プレイ時間を長くするため、トラップを追加しました。
MOVING_BLADEで作ってあります。デザインはTR4のアレキサンドリア(?)のファンを改造したものです。

駒の部屋。

これまでのノウハウが役立ちました。
PUSHABLE_OBJECTでTRAPDOORとROLLINGBALLをトリガさせ、PUSHABLE_OBJECTはすぐ下の隠し部屋に落とします。
ROLLINGBALLでカメラとANIMATINGオブジェクトをトリガし、カメラでANIMATINGオブジェクトを映します。
その後、ROLLINGBALLはTRAPDOORを無効化し、隠し部屋に侵入できないようにします。
最後に、ROLLINGBALLは3つに分割したRAISING_BLOCK1のトリガの一つをトリガ。
3つのPUSHABLE_OBJECTを色に合わせると、めでたくRAISING_BLOCK1があがります。

同じ色のPUSHABLE_OBJECTにしか反応しないよう、OCBの値とコードビットをPUSHABLE_OBJECTに設定し、
コードビットをTRAPDOOR、ROLLINGBALLに設定します。
TRAPDOORを色わけするとTRAPDOORが足りなくなったので透明にし、代わりに通過可能な床で色分けしました。
隠し部屋ではなくセネトの部屋に落とすとPUSHABLE_OBJECTがTRAPDOORの上に戻ってきてしまいます。
また、隠し部屋の高さを上手く調整しないとTRAPDOORの上にPUSHABLE_OBJECTのコリジョンが出てきてしまうため、
床を歩くことができなくなります。
当初はRAISING_BLOCK1はなかったのですが、シークレットと十字架の部屋を追加したためRAISING_BLOCK1も追加しました。

十字架の部屋。

十字架がそのままドラキュラ屋敷にあるのも変なので、PUZZLE_ITEM_COMBOにし、
モンキースイングと、女吸血鬼の部屋にアイテムとして配置しました。

WRAITH3登場。

WRAITH3は初めて使用したため戸惑いました。
トリガに『One Shot』を設定しないと何度でも登場するし、ANIMATING10(十字架)をトリガしても消えないし。。。
色々調べて、ANIMATING10のトリガにも『One Shot』を設定しないとWRAITH3が消えないことが判明しました。
当初WRAITH3は鏡の部屋で消す予定でしたが、十字架の部屋で消すように変更。
ベータ版公開後WRAITH3を消した後、滑る床を二度攻略することになるので、WRAITH3を駒の部屋に移動しました。

滑る床。

プレイ時間を長くするため、追加しました。
当初WRAITH3を消滅させた後、二度攻略する必要があったのですが、
ベータ版公開後十字架をセットしてから先に進めるように変更しました。

鏡の部屋。

これまで何度か鏡の部屋は製作してきたのですが、鏡を見てプレイする必要がないものばかりでした。
そこで、今回は鏡を見ながらプレイするように工夫してみました。
当初はリトルモンスター風のドラキュラに襲われる予定でしたが、
オブジェクト数が増大したので断念しました。

ロープ部屋。

少女時代のララから大人のララに変更した分、少し難易度は高くなっています。

巨大書庫。

プレイ時間を長くするためと、ダウンロードしたふくろうが活躍する場所がなかったため追加しました。
最初は本棚のドミノ倒しをやろうと思ったのですが、
倒した本棚の上をララが越えられないので入口だけ倒すことにし、その先に巨大書庫を持ってきました。
この巨大書庫はTR6から連想したものです。
ちなみに、倒す本棚はKICKDOORを改造したものです。

ドラキュラ部屋。

ドラキュラの最後を演出するため追加しました。
当初は巨大回廊でドラキュラの最後の予定だったのですが、
水浸しになったぐらいでドラキュラが倒れるのも変なので、杭でトドメを刺すことにしました。
そうかといってここで、杭を刺してしまうと、巨大回廊でドラキュラと戦うことが出来ません。

色々考えた末、トラップがララではなく、ドラキュラに機能することにしてみました。
杭を刺したことでトラップに重さがかかってトラップが発動。
最終的に重さに耐えられず、トラップのロープが切れて、ドラキュラに刺さるというものです。
ロープが切れる演出まで手が回っていないので、ここを読んでいる人にしか理解できないかもしれません。

トラップはPUZZLE_HOLEで、杭がPUZZLE_ITEMです。
トラップが落ちるのはPUZZLE_DONEだったのですが、下の部屋から覗くと表示されなくなる場合があるので、
PUZZLE_DONEを透明にし、OCBの値を「2」に設定したANIMATINGオブジェクトを表示させるようにしました。
その後、無効化すればANIMATINGオブジェクトは非表示になります。
ところが、PUZZLE_ITEMをセットするとANIMATINGオブジェクトより先にPUZZLE_DONEが表示されます。
一瞬、何もない所から急にトラップが出現するようになってしまいます。
表示させるタイミングが変更できないので仕方なく、ANIMATINGオブジェクトを最初から表示させてあります。

最後にドラキュラに刺さるのは、棺とドラキュラとトドメを刺す杭の刺さったトラップとトラップの扉の
4つのANIMATINGオブジェクトをトリガしてあるからです。
トラップを地面に落とすためには扉がMesh0だと動かしにくいので、2つに分けました。
ドラキュラが消えて無くなるのはFIREROPEで作成しているからです。
最初は、PUSHABLE_OBJECTでドラキュラの棺を作成し、トラップの真下まで棺を動かすようにしていたのですが、
トラップに最初から杭がついているのも不自然ですし、
FIREROPEによる最後を実現するためにはANIMATINGオブジェクトの方が都合がいいので、
今の形に変更しました。

倉庫。

プレイ時間を長くするためと、杭を入手するための課題として追加しました。

SETHA。

天窓のある空間で戦う案もありました。
JUMP_SWITCHで天窓を開き光が当たってドラキュラの最後というものです。
ですが、地面と天井との距離がありすぎてSETHAが上手く攻撃してくれないので、
当初の予定通り巨大回廊で戦うことにしました。

巨大回廊の岩。

SHATTERオブジェクトとANIMATINGオブジェクトで光と岩の落下を表現しています。
2つの岩で水浸しになるのは、分割したフリップマップのトリガを、ROLLINGBALLでトリガさせているからです。

ドアの開放。

WATERFALLとDOOR_TYPEオブジェクトで再現しています。
WATERFALLがカメラでしか表示されないのはOCBの値に「2」が入力されているからです。

■製作終盤:

照明の設置。

D_HouseとD_House2のマップを使っている所は今まで通りにしてあります。
今回はいくつか暗めの部屋も用意しました。

シークレットの設置。

今回のシークレットは、シークレットアイテムを入手するとトラップが発動するという仕掛けで統一しました。
行きは良い良い帰りは怖いパターンです。
ベータ版公開後、鏡の部屋は発見が難しいので、テクスチャを貼って目立たせてあります。
それでもシークレットと意識しなければ、発見は無理かもしれません。

個人の限界を超えた問題。

難易度設定はいつもの事で、個人ではどうしようもありません。

海外のチュートリアルの利用。

海外のチュートリアルの作り方を参考にレベル製作をしています。

雑感。

いつもはスタートからゴールへマップを作り、そこからテクスチャやオブジェクトと進めてゆくのですが、
今回は、スタートとゴール付近は決まっていて、その中間だけを作るというものでした。
Escapeシリーズも似たようなものなのですが、
ある程度部屋の規模や位置関係が決まっているのとはかなり異なります。
作業的には簡単だと思っていたのですが、どこまで何を残すかでかなり悩みました。
また、後からこうした方がいいという意見を取り入れて更新していくのが面倒なので、
ベータ版を公開して意見を募ることにしました。
製作秘話も今回はえらく長くなってしまい、自分の試行錯誤ぶりが目に見えるようです。